ツアー訪問事業所

好きなことを仕事にできる幸せ

有限会社あけぼの農園 加藤吉弘さん、由美子さん
  • 事業内容
    比内地鶏・羊の飼育、花卉苗生産販売、カフェ運営

“農業と畜産がしたい”という想いで移住

 のどかな日本の里山の原風景が広がる秋田内陸縦貫鉄道の沿線。そのふみきりのそばに佇む「ふみきり野カフェ」と「あけぼの農園」。主にご主人の吉弘さんが手がけるあけぼの農園では、比内地鶏と羊の飼育を行っており、奥様の由美子さんは園芸とカフェの運営に従事している。

 約20年前に二人は北秋田市に移住。元々飼料会社に勤務していた吉弘さんは、自分の農園や牧場を持つことが夢だった。秋田市出身の吉弘さんは、海外転勤などを経て日本に帰国した際、その夢を叶えるべく秋田に帰郷したが、当時は新規農業開拓希望者の受入態勢が全く整っていない状況だったという。試行錯誤の上、ようやく受入可能な土地として見つけたのが、北秋田市だった。

 「牛から比内地鶏の飼育に切り替えて、5年くらいでやっと畜産や農業だけで食べていけるようになったと思った矢先、比内地鶏の偽装事件が起こりました。比内地鶏の価格が下がってしまい、さらにエサの高騰も重なり、同じ作業量なのに実入りが全く違うという状況に陥りました。そこで、加工物へのシフトチェンジを思いつき、比内地鶏の卵を使ったシフォンケーキが売りのカフェを始めることにしたんです。」

カフェを繋がりの場にしたい

 決して街中とはいえない場所にありながら、休日ともなるとカフェは賑わいを見せる。現在、カフェの管理はスタッフに任せ、由美子さんはシフォンケーキを道の駅などに卸したり、イベントに出店したりしているという。もちろん、春や夏は花卉の世話も忙しい。

 「普段過ごしていると、農業に触れる機会は少ないでしょう。カフェがあれば、敷地内に放した羊とふれ合うこともできるし、ついでにお花や苗を覗いたりできます。農業の中心にカフェがあって動物や花との繋がりの場になればいいなと思います。将来的には、ガーデンツーリズムやガーデンウエディングにも挑戦したいし、そんな付加価値の高いカフェに成長させていきたいと思っています。」

好きなことを仕事にして暮らしていける幸せ

 吉弘さんも由美子さんも、自分たちの仕事や暮らしに一生懸命で、常にポジティブ思考だ。“好きなことを仕事にしている”という思いがそうさせるのだろう。

 「小さい頃から動物が好きでしたから、夢を叶えそれで生計を立てていられるだけでやりがいを感じます。生き物相手なので休日はないですが、それが苦痛だと思ったことはありません。二人で一から立ち上げた農園ですから、ここは私たちの財産だと思っています。」

この仕事に向いている人とは?

 「畜産の方は、生き物を育てて、生産するということに喜びを感じられる人。それさえクリアしていればあとは喜びしかないと思います。簡単ですよ。」と吉弘さんは笑う。

 由美子さんは「園芸は生産、カフェは販売ですから“作ることと、人が好きであるということ”が大切だと思います。」という。「生産も販売もお客様あってのこと。人が喜ぶことを考え、それに喜びを感じられる人が向いていると思います。」

子育てに120%良いところ

 北秋田市は自然に囲まれたのどかな街だ。由美子さん曰く、加藤家の3人の子育ては手がかからなかったという。「自営業でとても忙しかったので、保育園から学校の先生方には、本当に良くして頂きました。近所や同級生の親御さんたちにもお世話になりましたし、何よりこの自然いっぱいの環境が、子どもたちの持っている良さを引き出してくれたように思います。とても素直な子どもに育ってくれましたよ。」

子育てには120%良いところだと、由美子さんは自信満々で太鼓判を押していた。

「現在は、新規農業開拓者にはたくさんの補助が出るし、考えている人にはとってもいい環境だよ」と加藤さん夫妻は話していた。農業や畜産に挑戦したいけど迷っている、という人はぜひ加藤さんご夫妻と話をして欲しい。お二人の充実した笑顔から、きっと勇気をもらえることだろう。

 

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